Filecoin(ファイルコイン)とIPFSについて考える

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ファイルコイン(Filecoin)狂騒曲

日々あちこちからファイルコイン(Filecoin)への投資を案内する声が聞こえてきます。
ファイルコインをめぐる各オープンチャットは大変賑わっていますし、どこのマイニング業者を選ぶかという悩みは誰も尽きないようで、「先河系統しかない」「いや1475だ」などと、さまざまな意見が交わされています。

SYU氏もご多分に漏れず、これを「非常に硬い(原文ママ)案件」として紹介していますが…

私には、どうしてもそうは思えないのです。

IPFSテクノロジー、そしてその中でファイルコインが果たす役割をきちんと検証しなければならないのでは…?

そもそも、マイニング代理店を通じて中国系の情報だけが入ってきている状態というのは健全ではないのではないか…

そんなおり、ある英語記事を見つけましたので、日本語に翻訳してみました。

ファイルコインマイニングに参加を考えておられる方がおられましたら、ぜひ参考になさってください。

元記事は
https://www.coindesk.com/filecoin-mining-craze-in-china 
(CoinDesk / Inside the Craze for Filecoin Crypto Mining in China)
です。

CoinDesk記事を翻訳してみた

「中国におけるファイルコインの暗号通貨マイニング狂熱の内幕」

ファイルコインがブロックチェーンのメインネットで運用開始になるのが近づくにつれ 、(2017年に2億ドルをも集めたのちに何回か遅れはしたものの)中国の投資家たちがファイルコインネットワークのマイニング設備とそのトークン価格に多額の投機を行なっている。

ファイルコインの創設機関であるプロトコルラブスが、1週間後に始まる予定だった「テストネット報奨金」プログラムを6月9日に発表してからというもの、10数社を超える中国企業がクラウドマイニング契約とそのための設備の販売を開始している – メインネットでマイニング報酬がどういう収支になるのか、といった重要な詳細がいまだに決定していないというのに、だ。

これらの企業がそれぞれ現在までどのくらいの販売を行ったかについては、CoinDeskの見るこれらのプラットフォームの自己申告データと、数社のマイニング設備製造業社へのインタビューに基づくと、50万〜1000万ドルの幅広い予測がなされている。

ファイルコインの目標は、普及をより推し進めるための方策として、データ貯蔵域の提供に対してトークンによる報酬を与える仕組みを持った広範なデータ貯蔵ネットワークを設立することだ。プロトコルラブス社はテストネットを2019年12月に開始した。が、これまでテスト環境で採掘されたトークンは、メインネットが稼働開始した際にその中を循環する、実際のファイルコインを意味するものではない。さらに、テストネットにおけるマイニング報酬の収支状態は、最終的なブロック報酬がどのようにメインネットで得られるのかを表すことにはならない。

さらに、ファイルコインのテストネットにおけるブロックチェーンを調査している企業のデータによると、現在最も効率的な採掘力をテストネットで有しているトップ10社のマイナーのうち、8社が中国のマイナーということが判明している。

これら8社のマイナーはおよそ15ペタバイトの効率的なデータ貯蔵の採掘力を有しているが、これはテストネットの記憶領域が17.86ペタバイトあるうちの85%を占めている。

中国でのファイルコインの熱狂的ブームは、中国全体で長く続く暗号通貨マイニング人気に関係している。中国は、BitCoinのマイニングにおけるコンピューター計算力の約65%を占めていると見積もられているのだ。加えて、中国では2018年以来ファイルコインをめぐる詐欺が多く、複数の企業がまだファイルコインネットワークが開発中だった頃のハードウェアを何でもかんでも売り込んでいる。

「暗号通貨マイニングは中国ではずっと人気なのです」と多くのファイルコイン用マイニングハードウェア製造業社の一社であり、有名なFenbushiやHashkey Capitalといった中国のベンチャーキャピタルの支援を受けている1475の共同設立者であるAndy Tianは語る。

「ファイルコインのマイニング過程は技術的にははるかに複雑なものではあるが、ビットコインASICマイナーのように特別にチューンしたマシンを用いるのではなくHDDを用いてマイニングを行うという概念は実際、個人投資家にはより理解がしやすいだろう」と彼は語る。

一方で、中国でCoinMarketCapやCoinGeckoに相当するサービスを提供するFeixiaohaoによると、50近くの中国の暗号通貨取引所が – 比較的有名なGate.ioやBikiなどに比べるとほとんどが無名のものであるが – ファイルコインの先物とUSDTの通貨ペアを提供している。

ファイルコインのメインネットは未だ未稼働であるため、これらの取引所で取引されるコインは単に将来の見込みに過ぎず、メインネットが稼働するようになってからどんなふうに・いつこのコインの価値が決まるのかについては、はっきりとはわからない。

それでもなお、Fexiaohaoのデータが示すところによると、7月8日時点でのこれらの取引所における自己申告の24時間取引の総量は約100万ドルに達した。そして、ファイルコイン先物の価格は6月初めの約11ドルから7月8日には約28ドルに跳ね上がり、現在はこの原稿出稿時点で18ドルに落ちている。

「獲得利益は不確実」

6月25日に行われたAsk Me Anythingの中で、プロトコルラブスの共同設立者でありCEOであるJuan Banet氏は、テストネットが1ヶ月稼働しているので、テストネットにおける報酬プログラムが7月20日に始まるということを改めてはっきりとさせた。しかし、ファイルコインへの経済的報酬が正確にどのように機能するのかということについては依然、不確定である。そしてこれも遅れる可能性がある。

マイナーたちはファイルコインの暗号通貨としての経済体系を立てるための細かな数値設定をいつ受けられると期待すれば良いのか、と問われ、Benet氏はプロトコルラブス社としては数値設定の詰めを行いつつあり、この作業は続けて行われ、進化すると述べた。

「より最終的なものとなるような数値を7月終盤に固めるよう見込んでいる。システムそれ自体についてもっと質問があれば教えてくれ」と彼はコミュニティのメンバーに呼びかけた。

報酬プログラムによって、マイナーたちはテストネットで採掘される400万ファイルコイントークンを求めて争う事になる。しかし、これらのトークンはメインネットが稼働して初めて分配される。目的は、もしさらなる遅れがなければだが、8月のメインネット立ち上げに先立ってIPFSのネットワークインフラに対してストレステストを行うことだ。

しかし、7月11日以来、運営チームは、公式Slackチャンネル内のコミュニティから、測定結果のフィードバックを開始した。これはメインネットのみならず、テストネット報酬をひょっとすると1週間から2週間ほど延期するということになる。

「より多くのHDD領域を持っているからといって、ネットワーク上でより効率的な採掘力を有しているということになるわけではない」

ファイルコインのテストネット調査会社がそれぞれのブロック報酬とともに現在テストネットで採掘されたファイルコイン総量についての情報を示してはいるが、これらの数字はせいぜい、参考となる指標に過ぎない。というのもメインネットでの最終パラメーターが未だに決定されてないからだ。

そのため、この段階では、見込みのありそうなクラウドマイニング契約か現物のハードウェアのいずれかを買っている投資家は、メインネットでの採掘結果に対応する結果を計算するための公式がないため、自分の投資に対しての報酬がいつ得られるかという時期を知ることができない。
現在は、(ファイルコインの)クラウドマイニングは依然として、全ての報酬体系が決定されるまでは仮の計画なのです」とTianは語った。

彼によれば、1475はマイニング対策法及び物理的なハードウェア全般を販売しているとのことだが、これらの機械は効果的な採掘力を得ようとすれば、1セットあたり30,000ドルを超える価格になりうるとのことでもある。1475から購入する事業パートナーは個人投資家に対して、クラウドマイニング契約として1テラバイトあたり300ドルで販売をしている。

例えばBinanceから資金投資を受けている中国の暗号通貨メディア企業Mars Financeは、Mcloud.ioなるクラウドマイニングのプラットフォームを販売開始した。bitcoinのマイニング契約とは別にMars Financeは、いくつかの種類のファイルコインクラウド契約を宣伝している。この契約は年率換算での利益がなんと300㌫にも及ぶと売り物にしているが、購入した記憶域1テラバイトあたりどのくらいの量のファイルコインが採掘できるかについては示していない。

「将来に備えて買う」

それでも、これらの次々立ち現れてくる数々の疑問が中国における期待値を下げてはいないように思える。特にbitcoinと暗号通貨市場が比較的安定した状態にとどまっている時期には、だ。

中国に拠点を持つ、あるマイニングプールの6block社はCoinDeskに、多数のファイルコインマイニングプールが自社でのマイニング用及び投資家への販売分で少なくとも数百万元(1500万ドル以上)の価値のハードウェア・ソフトウェア分になっていると見積もっていると語った。

RRMineといった中国の大規模マイニング工場の中には、ファイルコインのマイニングに備えるための設備と、この設備に基づいたクラウドコンピューティング契約を購入し始めたものもある。同社によれば、6月に始まった4つの販売フェーズのうち、2つで1500万ドルを超える契約を数分で販売し切ったとのことだ。

BKEXやZBといった中国の暗号通貨取引所の中には、ファイルコインのマイニングメーカーと提携し、自らのウェブサイトで、USDT換算で100万ドル超に相当するファイルコインのクラウドマイニング契約が先月数分で売り切れたと主張しているものもまたある。

が、厄介なことがもうひとつある。つまり、ただより大きなHDD記憶域を持っていればそれが即、ネットワーク上でのより効率的なマイニング力を意味するわけではないということだ。このロジックはビットコインマイニングとは異なるものである。

ビットコインマイニングでは、現在の難易度であれば秒間1テラハッシュのハッシュレートがあればおよそ0.000008BTCを24時間で産出できると見込まれる。より多くの秒間テラハッシュがあれば、その割合に応じてより多くのビットコインをマイナーは生産できることになるのだ。

しかし、ファイルコインについては、マイナーの採掘効率はハードディスク上に確定されたデータの量にかかっている。ハードディスクの総記憶域量にかかっているのではない。

ハードディスクにデータを確定させるには、ファイルコインの採掘業社は処理能力をさらに必要とする。例えばRAMに加えてCPUやGPUといったものだ。より最適化されたソフトウェアと強力な処理装置があれば、より高速にデータをハードディスクドライブに確定させていくことができ、採掘者は与えられた期間により早く、より効率的な採掘力を確定させることができる。

プロトコルラブス側には事業新規参入者のための推奨基準というものがあるものの、これは全く確実な仕様基準がない場面でのカスタマイズされたコンピューター、という概念に似ている。

「ハードディスク上に大きな記憶域があることだけが重要ではないのです」と1475のTian氏は言う。「時間経過とともに効率的な採掘力を積み重ねるため、処理速度を早めるのを決定づけるのに重要なのは、中央演算装置、RAM、記憶域、そしてソフトウェアの最適化と言ったハードウェアの組み合わせなのです」

しかし、現段階では、個人投資家が、自分の購入した記憶域のうちどの程度のものが本当に効果的な採掘力を持っているのかをネットワークレベルで確認する明確な方法はないように思える。

「計画の遅延」

米国に本社を置くプロトコルラブス社は、2億ドルもの資金を調達した2017年の最初のコイン提供において、その計画から遅れた。

これは、Sequoia、Andreessen Horowitz 及び Union Square Venturesといった有名なベンチャーキャピタルから受けた私的な投資額の5000万ドルに加えての額であった。CoinDeskの親会社であるDigital Currency Groupもまた、プロトコルラブス社に投資した。

Bitcoinを3年採掘し続けており2018年からはファイルコインの開発に携わっているThe Force PartnersのColin Wangは、ハードディスクドライブを用いたマイニング、という概念はごく普通の投資家により直感的に理解できるものだろうとも言っている。しかし、実際のところ、採掘のためのハードウェアはハードディスクドライブだけではないのだ。

「2018年以来、中国でファイルコイン関連のメディア報道がかなりなされており、採掘マシンを販売する企業が非常に多く設立されている」と彼は述べる。

しかし2018年当時は、プロトコルラブス社はまだテストネットの公開からも程遠かった。つまり、適切なマイニングハードウェア仕様については、非常に不明なことが多かった時点なのだ。

Wangは、メインネットの稼働開始が投資家を待たせている一方で、中国企業の中にはこの情報ギャップを利用して誤解を招きやすい言葉を使い標準以下の機器を何も知らない中国の投資家に数多く売ったものもある、と語った。
Wangは、言葉を続け、こう見積もった。「過去2年間でマイニング基準を満たしもしない機械が、現在までに300億元超(40億ドル)分売れてしまっている」

実際の数字は確認しようもないが、このような行為があまりにも蔓延ったため、プロトコルラブス社は2018年12月に、詐欺行為反対の声明を出した。そして、香港と中国本土のコミュニティに、自社がそのようなマイニングマシン販売との提携関係がないこと、及び投資家は危ないと思われる要素に警戒すべきである、と警告を発した。

一例を挙げれば、ある自称ファイルコインハードウェア製造業社が、疑わしいMLM案件で偽物のファイルコインマイニングマシンを売り、伝えられるところによると数百人を超える人々から推定3億ドルもの詐取を行なったという内容を中国現地メディアが2019年3月に報じている。

度重なる延期ののち、プロトコルラブス社は2019年に、テストネットの立ち上げは2019年12月ごろに行われる予定で、メインネットの方は2020年第一四半期を目処にリリースされる予定であると述べた。
テストネットは約束通りの時期に立ち上がったが、メインネットの方は再び遅れ、現在は2020年8月に立ち上げられると予想されている。

不確定要素が多すぎるのでは…

記事中繰り返されるのは、ファイルコイン及びIPFSについてまだまだ未確定の要素が多すぎることです。

アフィリエイターの中には、相当な利益が見込めるものとしてこれを宣伝し、テストネットの結果やスペースレースの結果を誇らしげに宣伝に使っている人たちも多いのですが、そもそもメインネットの中身、特に報酬体系が今後どのようになっていくかについてはあまりにも不確定要素が多すぎると思います。

今後を見守る必要があると言えるでしょうし、現在のマイニングの結果よりも今後来るIPFSの実運用とその普及を注視する必要があるでしょう。

少なくとも、数ヶ月で爆益といった類のものではないと筆者自身は考えます。

続きは別稿で、改めて

お読みいただきありがとうございます。

IPFSとその先行技術、テクノロジの普及というものについては別記事で改めて考えたいと思います。

また、今回の翻訳記事が2020/7/13のものですので、その後の情勢の変化から注釈が必要であると思われる部分などありましたら、コメント欄にてご指摘いただけますと幸いです。

この記事を書いた人

TEAM+所属。
着実に低リスクで稼働する無料EAの開発と配布に心血を注いでいます。
同時に、無責任・悪質なアフィリエイターの排除をライフワークとしています。

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