再度の盛り上がり、SvoFX
SvoFXが再びユーザーを獲得しているようです。
売りとなっているのは、やはりソーシャルトレード。
つまり、「好きなトレーダーを実績に基づいてフォローし、取引を任せる」というものです。
さらに、この案件を紹介して他のユーザーに使ってもらうと、紹介ユーザーの使用ロット数に応じてIB報酬がもらえる(しかも多段階で報酬がもらえる)という点も相まって、多くのユーザーを集めつつあります。
FXはよくわからないけど、儲けてみたい!
FXに興味はあるけど、裁量取引を勉強している時間がない
というFX初心者や多忙なサラリーマンなどに人気なのだろうと推察しています。
私も、一瞬

なかなか魅力的なシステムなのでは?
と思いました。
が、結局熟考した結果この案件はやりませんし、今後もやることはないでしょう。
私は、読者の皆さんに「SvoFXは絶対に使わないで!!」などと発信するつもりは全くありません。
単純に、私がSvoFXを使わないその理由とともに、なかなかSvoアフィリエイターのブログでは見れない側面を書き綴りたいと思います。
私がSvoFXをやらない理由
誰をフォローするかは「賭け」である
一言で言えば、今のままならSvoFXのフォローシステムは、「パチスロのどの台を選んで座るか」、と変わらない「運ゲー」の要素が強すぎると思います。
どんなに利益が出ているトレーダーでも、翌日にはあっという間に全損している、というケースが(個人的体感ですが)多すぎるのです。
SvoFXではこれまでも、順調に利益を積み重ねていたEAやトレーダーが一気に破綻するケースが見られました。
GAIA、Jian、Jelico(のちにJelicと改名)、LV2019(メジャーでないうちにも破綻あり)などなど…
最も新しいところでは、 FORCEという人気トレーダーが、40パーセントの損切りののち引き続き40%の含み損を抱えていたりします。(のちにさらに損切り、さらにさらに損切り、結局仕切り直しスタート→資金追加の末、2月末にほぼ全損しました)
透明性を売りにするSvoFXでは、各トレーダーの過去の成績を見ることが可能です。
ユーザーは、過去の成績に基づいて、どのトレーダーをフォローするか決めることができるのです。
しかし、それはあくまで「過去」のデータであり、この先を保証するものではありません。
SvoFXは基本、フォローしたトレーダーに取引を委ねる「お任せトレード」です。このタイプの投資で安全性を確保しようとすれば、過去のデータを盲信することなく、そのトレーダーの真のトレードスタイルを見極めなければならないでしょうし、それは非常に難しいことでしょう。できたとしてもかなりの時間とFXについての学びが必要です。
見極めたとしても人間ゆえの乱心もあるかもしれません。
上述した通り、これまでもSvoFXではそれまで好調だったトレーダーが嘘のように破綻、というケースが見られます。(あくまで私としては、徐々に含み損が積み上がっていくケースが多いように感じています。)
もちろん、SvoFXに限らずどのFX案件も、過去のデータが未来を保証するわけではありません。
が、EAであったり、自己の裁量による取引の場合は、「どんな時にどうエントリーしてどう逃げるか」がある程度わかる上、自分でコントロールすることも可能(もちろんEAの場合はその仕様による)です。
SvoFXでトレーダーをフォローしていく時には、
「もう心中!全てお任せ!任天!!」
の精神で望まなければならない、ここがまず私がSvoを利用しない最大の理由です。(もちろん、よくわからないトレーダーのコピートレード全般に言えることではありますが。)
フォローシステムの弊害
SvoFXで取引を行うトレーダーの視点に立って考えてみます。
仕組みとしては、
■ 勝ってトレーダーランキング順位を上げる
↓
■ フォロワーが増える
↓
■勝ちトレードに対する手数料が増える
という流れになります。
しかし、「フォロワーを増やす」ためには、ある程度の派手な利益が必要となります。
後述しますが、地味なトレードで「年利10%!」などとやっていても、手数料や税金などを考えると、ユーザーを惹きつけるに足る魅力は薄いでしょう。
となると、トレード報酬をより多く得ようと思うトレーダーの場合はある程度のリスクをとっていく必要はあります。
(SvoFXでは、レバレッジが1:100までであることから、派手な利益を取ろうとするとどうしてもボラティリティの高いゴールドなどに手を出すことになってしまいます)
これが時に危険につながることもありうるのではないでしょうか。
今回2月に巨大な損切りを行ったあるトレーダーの場合、損切りpips合計は
-5100pips超でした。
ちなみにこれはたった1日でのマイナスです。
となると、日々の利益としてはある程度の額が出る、または動きなしと見える場合でも、裏では大きな含み損が成長していたことになります。
本来なら含み損を切るべき場面で、トレーダーランキングを意識するあまり、切りどころを失ってしまうトレーダーもあるのではないでしょうか。
また、ユーザーとしても、手元で損切りができるとはいえ、育ってしまった含み損をエイッと処理するのも難しいものがあるのです。
さらにいうと、最近になってトレーダー登録が簡単になってしまったおかげで、よくわからないトレーダーが増殖してしまっています。検証するのも一苦労です。
分散はリスクヘッジ?リスクテイク?
よく、SvoFXのアフィリエイターが発言しているのが、以下のような内容です。
「資金を複数のトレーダーに分散してリスクヘッジを!」
しかし、資金管理が十分にできており、各トレーダーの堅実性がよほど高い場合を除いて、これは同時にリスクテイクにもなりかねません。
例えば、1000ドルの手持ち資金を
■ 堅実系(月利見込み5%)のトレーダーAに500ドル
■ 攻め系(月利見込み40%)のトレーダーBに500ドル
と配分してフォローしたとしましょう。
ところが、運用1ヶ月立ったところでトレーダーBが失調。500ドルを失ってしまったとします。
手元に残っているのは525ドル。
元の1000ドルに戻すぞ!という気力があなたに湧くでしょうか。
安定運用のトレーダーで長期間辛抱し、再び元資金の回復を目指すか?
それとも破綻ありきで攻め系トレーダーに鞍替えするか?
この辺りは私に取っては「賭け」と捉えられる部分になります。
そもそも論を言うならば、この想定のように1000ドルしかない投資用余剰資金を丸々SvoFXに回すこと自体が、資金管理のできていない部分なのかもしれません。
1000ドルあれば、例えば200ドルをSvoFXに回し、さらに200ドルずつ他の手堅い案件に分散…など(あくまで例です)、単純に同じシステムの中で完結させないこともまた重要なリスクヘッジでしょう。
なんにせよ、利の乗るトレーダーと堅実トレーダーへの分散投資は、実は非常に運任せの要素が大きい上に、リスクを増大させる側面が大きいと思われます。
どうしてもSvoFX内で分散投資をやるとすると、安定運用タイプへの分散投資なのでしょうが…ここにも2点、難しい点があると考えます。
その他にも、以下の点については考慮すべきでしょう。
■ 手数料や税金を引いて考えると、利益に旨味がない
利確とともに差し引かられるトレーダー報酬と、のちに支払う税金を考えると、最終的に手元に残るのは利益の56%程度の場合が多いと思われます。
例えば、月利5%のトレーダーがいるとすると実際の月利は3%未満になることもあります。こうなると、また爆益トレーダーが恋しくなるかもしれません。
■ 仮にどちらかが調子を崩しても、フォロー替えが容易ではない
含み損があると、気軽にフォロー替えもやりにくくなります。祈りながら復調を待つか、エイヤっと損切りをして他のトレーダーに乗り換えるか。前者を選ぶ人がどうしても多いのではないでしょうか。私も前者になってしまうと思います。
「誰でも実績を見ながらフォローでき、随時フォロー対象も変更できる」という点は一見すると魅力的なのですが、私には上述の理由からむしろ利用を避ける原因となっているのです。
A-bookだから有利?
SvoFX(のアフィリエイターの方々)はA-bookであるということを売りにしています。
アフィリエイターによっては、「B-bookは全部呑み業者だから、顧客に利益が出る訳が無い」と平気で言っておられたりもします。本当にそうなのでしょうか?
まずは、A-book / B-bookの利点と不利な点を振り返っておきましょう。
■ A-bookの利点と不利な点
A-bookの利点としては、顧客とブローカーの利益相反が一切ないということですから、不正なレート操作や出金拒否、出入り禁止も心配いらないでしょう。
が、反面、収入源が手数料のみとなりますから、スプレッドは広めになり、その他各種手数料も徴収される傾向にあります。
また、頑強なシステムを構築しなければ、約定拒否・滑りなども発生する可能性は高くなるでしょう。
■ B-bookの利点と不利な点
B-bookの利点としては、一部(全部ではないことが多い)取引を呑む(インターバンクを通さない)ことによって、手数料以外の収益も確保することができるため、その利益をボーナスクレジットなどの形で顧客に還元でき、スプレッドも狭めやすくなるということなどが挙げられます。
約定も早くなり、滑り発生の可能性も低くなると思われます。
インターバンクとの取引を行う分に関しては頑強なシステム構築が必要となるでしょうが、完全A-bookでやろうとしている業者に比べれば設備投資の額は少なくて済むとも考えられます。
反面、儲けすぎる顧客に対しては、不正なレート操作・出金拒否、出入り禁止措置などの対策を講じてくる可能性はあります。
ただし、昨今の過当とも言えるブローカーの顧客獲得競争の中で、このような不正操作を行えば、非常に不利になると考えられますので、公然とこうしたことを行なってくるブローカーもそう多くはないと思われます。
そして、何より、
「完全A-book / 完全B-book」という業者は少ない上に、「本当に完全Aなのか・Bなのか」は確認しようがないのです。
(この辺のことは、「投資のプロが教える!海外FXプロ」をはじめとした様々なページに書かれています)
我々がブローカーを選ぶときに重視する項目はなんでしょうか?
「A-Book」だから選び、「B-book」だから選ばないのではなく、
・スプレッド
・手数料
・ボーナスなどの付帯サービス
・レバレッジ
などの種々の条件を勘案して選択を行うことが多いのではないでしょうか。
そして、何よりも重要なのは
「A-bookだからトレードで勝てるわけではない」
という点です。
以上の点から、SvoFXが、A-bookであることを必要以上に売りにしている点も、私が今一つそそられない理由の一つです。
IB報酬で本当に儲かる?
「IB報酬が多段式で、IBで稼ぐことも容易」というのも、公式ページには一切謳っていないながらアフィリエイターの方からよく聞く言葉です。




この図は、のちにご紹介する「危ない投資の備忘録 海外業者検証8」に載っている、SvoFXのIB報酬概念図です。
色々と計算の合わないところはあるのですが、概要としては、
「孫アフィリエイターの展開分まで、IB報酬が分配される」
「業界最高水準のIB報酬」
という点が売りなのだそうです。
そもそも、スプレッドによる収入が基本なだけなのにこの大盤振る舞いは極めて不安になりますが、このような図解説明で
IB報酬で稼ぐことができますよ!
トレードしなくても、人に紹介するだけでもいいですよ!!
と言う発言をなさるアフィリエイターもおられます。
しかし、アフィリエイターというのは人々に商品・サービスを紹介して利用を開始してもらう、いわば個人営業のような仕事なので、それなりに骨が折れます。
成果が出るかどうかはその人の努力次第です。
IB報酬目当てでSvoFXを使用開始したユーザーも多いため、過当な顧客獲得競争になることは自明でしょう。
成果を出そうと思えば、相応の時間と労力をアフィリエイト活動に注ぎ込むことが大事になります。2言3言ツイッターで呟く程度では、集客は叶いません。
上記のことから、多大な労力を費やしていろんな集客活動をしたけど、IB報酬はさっぱり…と言う結果も十分に考えられるのです。
筆者自身は、このシステム自体には興味はありません。SvoFXのIB報酬体系図を見たときに「計算が合わないな」と思った程度です。
が、IB報酬が欲しくてSvoFXを始める方は、過度の期待は禁物です。
スキームとしての危うさ
つい最近のことですが、SvoFXは関東財務局から無登録営業について警告を受けています。
が、これはおよそほぼ全ての「海外業者」について発せられている警告であり、実質的に大きな問題ではないでしょう。アフィリエイターの方々も、問われればそのように答えておられます。
私が「あれ?」と思ったのは以下の記事、
「危ない投資の備忘録(かなりスクロールが必要ですが…)」です。
読んで様々なことを感じましたが、特に疑問を感じたのは2点です。
■ 国内操業実態の疑い
■ IB報酬体系の維持に対する疑問
もちろん、分析考察サイトですので、全ての記述が正しいかどうかはわかりません。
しかし、仮に国内操業実態が本当ならば、金融商品取引法・投資運用業・投資助言業など様々に考えるべき問題があります。もちろん、金融庁とSvoFXの間の問題であり、我々には関係のないこととはいえ…
上記記事を読む限り、通常の海外業者と異なり、仮に国内操業実態があるのであれば金融庁の手の届くところになってしまう、と言う部分が不安に思える内容です。
が、私はこれに関しては何の断言もできません。
この辺りのことは、デリケートな問題ですので、記事をお読みの上ご判断いただくのが一番でしょう。
で、結局どうせよと?
私は、TEAM+のEAを稼働させると同時に、昨年末から、及川圭哉さんの「デイトレ大百科」で裁量トレードを今一度学び直しています。
リスクリワードをどのように考え、どう上手に逃げて生き延びるかに関して、やはりしっかりとした自分なりの根拠を持てる、ということが一番だなと痛感しています。
これは、アフィリエイトでもなんでもないのですが、値段の割に非常にしっかりとした教材で、私自身のチャートの見方もガラリと変わりました。自分の視点でチャートが見える、というのは、気持ちいいことであると同時に、いざというときの対処方法も見えてきます。
いかにソーシャルトレードとは言え、
「履歴が青いから、すごいトレーダーに違いない!」
「利益率が出ているからお任せ!」
などといった視点でただ頼りきるだけでは、早晩行き詰まる可能性は高いと思います。
自分なりの相場観あっての利用でなければ、「自己責任」の地平にすら到達しないで資金を失ってしまうことすらあるでしょう。
昔からよく言われる
「飢えている人を目の前にして、あなたは魚を与えるか?それとも魚の釣り方を教えるか?」
の話ではないですが、
スーパートレーダーの恩恵にただあずかる、
ということであれば、ソーシャルトレードも一過性のもので終わってしまうのではないでしょうか。
誰かに頼りっぱなしではなく、
■ 大いに学び、技量や相場観を身に付け、
■「自分一人でも利益を出せる」という自負を育む。
その上で
■ 自分にできない部分を委ねる、
■ いざというときは自分で損きりまでしっかり行う。
という使い方なら、ソーシャルトレードも生かしようがあるような気がしています。
まあ、私は今後も利用しませんが…
終わりに
以上、私がSvoFXを利用しない理由について書かせていただきました。
再度、これは読者の皆さんにSvoFXを使うな、と呼びかけるメッセージではありません。
私の頭の中にあったのは、年金暮らしの父です。
様々な投資案件が父に持ちかけられる中、ある日
「父がネットでSvoFXのことを知り、私に相談を持ちかけてきたらどう答えよう?」
と考えたのが記事の始まりです。
故に、投資初心者の方の中にSvoFXを使おうかどうか迷っている方がおられるならば、本記事も有用だろうと考える次第です。
お読みいただきありがとうございました。
なお、本記事は今後も加筆の可能性があります。
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